2009年10月18日日曜日

chrome osへの期待

chrome osがちょっとだけ公開されて、すぐに公開停止になったらしい。

Chrome OSの初期ビルドをRapidshareやDropboxから誰でもダウンロードできるぞ(しかしこれはMG(記者)の早とちりでした)
http://jp.techcrunch.com/archives/20091014want-that-early-chrome-os-build-you-got-it/

記者は「OSのα版が動かせる!」と報じてしまったものの、実際はChrome osディレクトリ内の、linux上で動くブラウザ部分だけをdeb(debian linux用パッケージ)で公開している状態らしい。

OSそのものは動かなかったのでしょうか。


無料のOSということでしたが、Linuxベースなのかどうか今一情報があいまいだった気がしますが、結局のところLinuxベースということでいいんでしょうか。
Linuxベースではないとした場合、「Word,Excelなどのオフィスソフトは動かないのでは?」とも思っていました。それは実は結構致命的な使い勝手の悪さをもたらす気もしていたので、オープンオフィスなら動くという形でなんとか首がつながりそうです。


どうなんでしょう。広まるんでしょうか、これ。実際のところ難しい気もしますが……

Linuxは無料ということで、2000年前後の黎明期に取り上げられ、さらに2004年ごろにLinspire(Lindows)でもう一度期待され、結局いずれの時にもユーザー用OSとしてはメジャーにはなりませんでした。

売れなかった理由は、これらの時期に期待されたのが、「WindowsがすべてLinuxに置き換えられる」という形であり、そうまでするにはマイクロソフトと同レベルの使い勝手……ヘルプや細かなエラー対策、それとユーザーサポートが必要になります。


メーカーサポートというものも、どんな会社のものであれ「充実している」と受けとられている例は少ない気もしますが、企業のサポートというものや、サポートする気で作られた製品というものは、ずいぶんと使いやすくなっているものです。
伊集院光は、以前Victorのサポートをベタ褒めしていた気がします。珍しい例ですが。家電マニアで、知識がないわけでもないのですが結構サポートセンターみたいな電話サービスを利用することはある様子ですが、そのたびに事務的な対応に悩まされています。結局、サポートセンタの人員も客が持ってるのと同じレベルのマニュアルしか持ってないことがわかったので、頼る気にはなれないんですが……それでも最終手段のように感じてしまうんですよね。

また、そのへんを十分検討したうえで「壊れたんです。保証期間内だから交換してください」みたいな電話をしたときにも、「あー、これはまた機械オンチな客だ」としか思われず、マニュアルの中の確認手順を一通りなぞる必要が生じました。
Linuxを電話サポートで対応しようとしたら、えらいことになるでしょう。Winでどうにもできないこともたまに起こりうるんですが、一応電話、ヘルプ一覧によるサポート体制があります。
電話でなんとかしてくれるのも初歩の初歩というか、マニュアルやらヘルプやらで解決できる程度のものしか受け持ってくれないんですが。
マニュアルをなくしたとか、ヘルプによるサポート情報の検索を自力では行えない人用なんでしょう。

解決に1週間でも1ヶ月でもかけていいから、もうちょい技術専門担当の人を用意して問題解決してほしいところ。

あと、ヘルプの確認メッセージで、「この情報で問題は解決できましたか?」に対し、
「はい。問題は解決しました」
「いいえ、他の情報を探します」
というのも、なんとも教えを請うている感じで少々イライラします。
英訳なんでしょうが、
「問題は解決した」
「他の情報を探す」
くらいでいいんじゃないでしょうか。選択肢上のメッセージなんて。


要するに、Linuxは使いづらいです。一度設定してサーバーとして運用し続けるとかなら堅牢ですが、人が作業に使うPCとしては、様々な点で不便であり、新しいことを試そうとすると、ソフトのインストールや設定にかなり時間がかかることも多々あります。 少なくとも私の場合はそんな感じです。


しかし、今回の使用目的は「メール、ブラウジング(ネット視聴)」程度であり(多分)、これを乗せるPCも「軽量小型ノートPC」という形に絞ってあります。多分。

最近では他にも色々増えてはいますが、ブログ、SNS、ニコニコあたりなら上の機能で十分カバーしています。
一昔前、「メールが送れてネットが見れてゲームができるくらいでいいです」という基準で安いPCを探していた人を掲示板等で見かけました。そのあたりのユーザーならば、問題なく受け入れられそうに思います。
最近はどれくらいの人がこのくらいの目的で足りるんでしょう。オフィスでもPC使用が増えてきてるし、家でも多機能なPCを使う必要のある人が増えてるかもしれません。もともと、安いWindowsPCを購入した場合でも3D機能を使うようなゲームとなるとほとんどできないわけでしたし。(実は、一番ハイスペックなPCを要求する使用目的は、「3D機能を使ったゲーム」。)


また、こういったPCは一人暮らしを始める学生なんかにも向いています。ワンルームの一人暮らしには、場所をとらない小型ノートとかのほうがいい。 安ければなおいい。
大学一年時に「レポート作成にいずれ必要になります」とか言って一台持っとくことを推奨されるんですが、工学部での経験で書くと、3年次にようやく長いレポートを書くころになっても、図とか考えると手で書いたほうが早い部分もあったり、4年次に、遂に実際に必要になるころには、XPがSP2出てて、重すぎて使えなくなってたり、バッテリーが切れてて持ち運びに不便してる例を多数見ています。

最近では大抵タイピングで困ってる人も見かけなくなってますし、バッテリー寿命も延びてますし、OSの肥大化も今後はそれほどひどくはないかもしれませんが、「最初の一台」はこれで十分な気もします。
必要になったものは、あとで必要になったときに新しく買えばいいと思います。パソコンの性能は日進月歩ですから。

また、OSとブラウズ機能が密接につながっている場合(具体的にどういうものか今一わかんないけど)、「有害サイトのフィルタリング」にも非常に適しているのかもしれません。システム的な部分でキーを作って、パソコン会社と電話で管理するなどしておけば、多感な時期のお子様を持つ親御さんも安心して子供にネットを使わせられるかもしれません。

さらに、デフォルトの検索エンジンはおそらくGoogleであり、Googleの検索機能のほうにも制限をつけるようにすれば、サイトの制限もよりスムーズに行きます。現在でも、多少は制限がかかっている様子ではありますが、需要次第でさらに徹底するバージョンが生まれてくるかも。
こうなると、視聴制限機能の導入の際に、「使用検索エンジンをGoogleに限定すれば、さらに安全性があがります!」とか宣伝すると、ユーザー(の親)同意の上で検索エンジンの独占につながるかもしれません。
他の検索エンジン提供元から批判されるでしょうが、「だってほかの検索エンジンから何が出てくるかまで責任取れないしー」とか言われると反論は難しい。いくらでも反論できると突っ込まれてしまうかもしれませんが、このようなサービスは確実に需要があると思うのです。

私自身、ネットへの接続をなかなか親に認められなかった理由として、母がエロサイトを警戒していた部分が非常に大きい気がします。だから、ユーザーが望めばこういう機能もアリになるのではないでしょうか。全国のPTAが推奨!みたいな。
他の検索エンジンも、同様の視聴制限を課すようにしていけば問題はなく、「使用可能な検索エンジンの制限(ブロック)」は認められないかもしれませんが……それでもフィルタリング能力の面でも、googleと勝負するのはまた厳しくなってくるのでは?
独占関連の問題でいざ裁判にまでなったら、「Googleが確実に有害サイトをブロックしているともいえない以上、独占は不当」とかになっていきそう。その場合、Googleは「これはユーザーに求められた機能であり、当社はその中でも最高レベルのサービスを提供しており、他にも対応の努力をしているサービスは多数あることも認めるが、全く対応していない検索エンジンもあり、検索エンジン制限機能は不当な独占にはあたらない」とかになっていくのでしょうか。どこまで行くんだ、PTAvs有害サイト。


……話がずれました。
このOSでは基本的な機能はサポートしているわけなのですが、しかし大抵のゲームは動きません。マインスイパー的なミニゲームはいくらかあるでしょうが、ネットゲームやらファンシーなチャットソフトとかはきっと無理でしょう。ブラウザ上で動かしているやつならOKでしょうか?
100均のゲームも当然動かない。Linux用のフリーゲームとかならありますが、英語だろうし、Linux雑誌とかでたまに特集されてもいましたが……私は入れてみたことがないのでちょっとわからない。

夢を語ってみれば、このPCがシェアを伸ばしていけば、それ用のゲーム、ライブラリ(の使い方に関する情報)が充実していき、パッケージ版のゲームもChromeOS対応になっていくかもしれません。そうなると、必然的にLinuxに関してもゲームに向いてくるようになり……と、ここまで行くと元の「すべてのPCで、WindowsからLinuxに入れ替えられる」と同じレベルですね。やっぱこのへんは無理か。


また、その他Windows用アプリが全般的に使えないわけですから、家ではあまりパソコンを使わないお父さんが買ったり、またおじいちゃんにお勧めしようとしても、年賀状作成ソフトとかも使えないことになります。素材集とかは流用できるでしょうが、素材を選び出すための検索画面みたいなアプリが使えず、大量の画像のストックから自力で探し出すことになるかもしれません。
年賀状作成ソフトも、年賀状の時期にChromeOS向けに出てくれるようならいいんですが、そこは発売後1年ほど様子を見守ってみないとわかりません。
さらに、「ご自宅のパソコンで簡単作成!」「ChromeOSでも作れます!」みたいな宣伝文句が並んでて前者のほうを買って帰ると、「お客様、これはウインドウズ専用でして、そのパソコンではどうやら……」とか言われたりしてね。

プリンターつないで、はがきに印刷する文面やら住所録やらを作るとなると、それはもうChromeOSの守備範囲外な気もするんですが、このへんも一応、ライトユーザーが登っていく階段の代表例でしょう。
購入する年齢層やニーズを見ていかないといけなそうですが、メーカー側は対応していくんでしょうか。
プリンタ用ドライバ(各プリンターで正しく印刷できるよう、送信するデータの順序を設定するためのプログラム)というのも、Linux用では多少サポートが甘いのが現状です。

しかし、以前の「オフィス用PCとして」というものよりも十分広まりうるとは思います。PCが小型化、低価格化が進んだした上で実現したアイデアであり、これまで倒れていった企画とはちょっと違うと思うのです。
あとは、機能を少なく絞ったにも関わらず、ChromeOSのサポートやら使いやすさがWindowsに大きく劣ったり、ライトユーザー層が、「Windowsのほうが安心できるから」と、安さよりもイメージで選んでいってしまった場合、やはり広まらずに消えていくことになるかもしれません。

雑誌なんかで便利な使い方を紹介するようになっていくでしょう。機能拡張については、Linuxとして使えばかなり多用途に使えるようになっていくはずなのですが、
ChromeOSでGimpを使うには、コンソールからsuでルートユーザーになって、apt-getで以下のパッケージをインストールだ。ここで打つコマンドは……」とかやるようだと、やはり、どうしても難しそうに見えてしまいます。
(Gimp:オープンソースで無料な、フォトショップ並の機能を持つ画像編集ソフト)
なんとかウインドウズ並に簡単に入るようにできないものか。Linuxザウルス並ならOKでしょう。
Linuxらしく、コンソールを使った従来の使い方もできたほうがいいとは思うのですが、それとは別に、ソフトウェアのインストールやGUI設定、日本語環境管理は独自に充実させておいてほしいものです。
アップデートは、Debianを使ってる限りではかなり簡単に更新されていきますが、自由にインストールして言った場合、大幅な更新時の動作確認とかでどうなるかわかりません。Debianではいきなり止まったりGUIが起動しなくなったり、日本語が入力できなくなったり、日本語で表示されていたメニュー画面がすべて文字化けしていたりしていたのですが、駄目になったらさっさと諦めをつけて再インストールしろとかをすべてのユーザーに求めることができましょうか(反語)。私も、あんまり重要なデータとか(写真やら日記やら、一度消してしまうと取り返すのが困難なもの全般)を残してないPCだからあっさり再インストールに踏み切れてるわけですし。

OSとブラウザが一体化してるみたいな、かなり独自なカスタマイズを施しているなら、そのOSの中心部分だけは外からは一切いじれないようにしておいて、そこだけは責任を持って管理……とかやれば、後からインストールしたアプリが動かないだけで、OSが起動しないとかはないのかもしれません。具体的にどうやんのかはよくわかんないけど。
さらに、一旦そこまで作り変えるのはいいとしても、それ以降もLinuxのバージョンアップに合わせてサポートしていくのもかなりきついのではないでしょうか。独自のパッケージ管理をしていけばいけるのかな?……どんなOSなんでしょうね。


いきなり売り物として搭載PCを売るのではなく、はじめはモニターみたいなものを募集して、販売以前から情報を集めてみるのも有効だと思われます。企業の側も、自社のPCにインストールしてレンタルし、積極的にモニターを勧誘していけば、独自のサービスにつながっていくかもしれません。…この段階で商品化が難しいことが判明するかもしれませんが、それも逆に、失敗前に撤退という結果になり、投資額を抑えることにつながるかもしれません。

多分、私はそんなものに参加しても、ろくに使わないで普通にデスクトップ使ってるでしょうけど。
あまり使わない人というのも、使用頻度から考えて1年くらい使用状況を見続ける必要があるかもしれません。

また、Windosエミュレーターである「wine」も、もうver.1.0を超えているようなので、そちらを使っていけるように自然に誘導するだけで結構なんとかなるかもしれません。この場合、Google側がやることは、wineがちゃんと動くことを確認するだけですね(建前上は)。

これをきっかけに家庭用PCにもLinuxが普及することになるのか。そしてあわよくばゲーム、アプリ関連でもLinuxの足場を広めるきっかけにもなっていってほしいものです。現場のプログラマーは戦々恐々としているかもしれませんが。

2009年10月12日月曜日

ロウきゅーぶ!1-3巻

ロウきゅーぶ!は去年の電撃小説大賞で入賞した、新人作家のラノベです。結構好評らしい?

内容は、小学生女子のバスケットボール部の臨時顧問として、高校生男子の主人公が小学生女子5人に囲まれる話であり、いわゆるロリな人向けのくだらない話として認識してもらえばまず間違いありません。

……しかし、この作家さんも「好きなラノベ」に秋山瑞人が書いた『イリヤの空、UFOの夏』を挙げているらしく、もうそれだけで応援したくなる。いや、小学生とかは関係ありません。


で、内容はラブコメともいいがたい救いのない内容かと思えば、これが普通に面白い。
スポーツもののラノベというものを、おそらくこれまでに読んだことはありませんでした。知る限りでは「銀盤カレイドスコープ」でフィギュアスケートやってた気がしますが、読んではいない。だから比較対象とかも私の中にはないんですが…

内容は、普通に「バスケ物」の小説だと思っても問題ない良い出来の作品でした。ただ、女子である必要はなかったとしても、やっぱり「小学生」でなければ成り立たない話ではあったでしょう。

以下、1巻の説明。

まず、設立されたばかりの女子バスケ部は男子バスケ部とコートの取り合いになっていることから仲があまりよくなく、しかも男子バスケ部は前回の大会で地区大会に優勝した、活動がとても活発な部活になります。
対して、設立されたばかりで、急に集めたばかりの素人集団な女子バスケ部には実績もなく、現在の練習風景を見ても「バスケットボールに親しむため」な目的によるボール遊びしかしていないような状況です。

地区大会で優勝後、県大会初戦で嘘のようにボロ負けした男子バスケ部はさらなる飛躍を目指し、部員一同厳しい練習をこなすことも辞さない気分でいたところに、女子バスケ部が設立され練習時間が半分になってしまったのです。

そんなわけで、「新設部が地区大会優勝チームに勝たないと廃部」という漫画でよくある展開になります。スポ魂です。そう、このラノベのジャンルは「ローリングスポコメディ」です。
ロウきゅーぶも篭球(ろうきゅう)であり、つまりはバスケのことです。ロリキューブではありません。


普通にやっても勝てなそうではありますが、勝負は小学生同士です。中学生の地区大会優勝チームだったりすると、結構な実力差が生じてしまうとも思いますが、小学生同士ならズブの素人集団でもなんとかならないこともない可能性がないわけじゃないことは否定できない。

チームの構成としては、部活設立のきっかけにもなった、エースプレーヤーが1人。前の学校にあったバスケ部にて、バスケの経験があります。男子バスケ部と勝負しても、1対1では誰にも負けません。かなり上手い。

他は全員素人ですが、一人、高校生並に背が高い子もいます。しかしこの子は、背は高いものの引っ込み思案な性格で、しかも背が高いことにコンプレックスがあるため、背が高いことを指摘されたり、それを利用するポジションにつくことを嫌がります。
他は運動神経並以上が2人、もう一人は運動能力低、身長も並以下。ただし非常にかわいい子で、相手チームにもこの子を好きなやつがいたりする。一種のエースキラー

そんな構成で仮にも地区大会優勝チームとの勝負となります。練習期間は2週間。試合時間はミニバスの前半後半10分ずつをさらに短くした前後半5分ずつ、5ファウルによる退場、選手交代などはなし。これは女子バスケ部がまだ5人しかいないことによる不公平を出さないための工夫で、5ファイルを出した場合、それ以降はファウルごとに1本のフリースローが約束されています。

この短い試合時間も、まだスタミナが足りない女子チームに有利ともいえる内容であり、このへんは勝負を受けた際に女子バスケ部顧問である、主人公の叔母(23歳くらい。外見年齢高校生並(本文より。イラストを見ただけでは、正直小学生陣と見分けがつかない))が女子バスケ部に有利なルールになるよういくつが提案してあったそうです。

そうして、試合もちゃんと描かれていますが、これがとても面白い。

まず、チームの実力差もしっかりあることながら、コーチである主人公は中学で弱小バスケ部を県大会準優勝にまで鍛え上げた、知将とも呼ばれるガードプレーヤーです。高校生バスケ部のほうは……実は「部長が小学生女子と駆け落ちしようとしたことによる、「不祥事による休部処分」」を受けたため、現在活動していないのですが。また、この部長というのも主人公がかつてコテンパンにのされ、目標とし続けたガードプレーヤーであり、強豪校からのスカウトもあった主人公が、さしてバスケ部の強くないこの高校へ進学した理由のひとつでもあった人物でもありました。退学になってしまったらしいですが、結局一度も出てこないのかな?この(元)部長さん。

で、試合のほうですが、主人公が授けたいくつもの作戦により、実際に「地区大会優勝チームくらいの錬度のチームにも勝てる」という可能性が十分に見込まれるまでの展開になります。

試合展開や、女子チームの能力は、さほどご都合主義というほどのものではありません。

試合展開も、どちらかといえば主人公が想定している内容の中ではあまり望ましくない展開でしかありません。「あわよくば」くらいの期待を持っていた要素もいくつかあったものの、それらは全く実現されず、結局、過度な運や相手の失策などはない、相手も常に最善を尽くし続ける中での勝負になってました。

女子チームの能力も、1人の経験者以外はきわめてお粗末なものでしかなく、花道並の成長を見せることもありません。

主人公が本文中「小学生最高じゃん」と漏らす場面があるとおり、小学生(+素人)ならではの「吸収の速さ」を見せつけ、主人公の指導を十二分に身に着けた上での試合になりますが、練習期間はたった2週間。さしたる成長とは呼べず……それでもこの試合では十分に有効に作用しています。


バスケ作品ということで、ところどころスラムダンクを思い出す部分があります。

「あきらめたらそこでなんとやらだ」という主人公の心中のつぶやきとか。右斜め45度からのワンハンドシュートとか。

これはあれですね。シリーズラストであの場面を再現することへの布石ですね。

大好きです。こんどは嘘じゃないっす

スバルならきっと言ってくれる。たとえ相手が小学生でも。

秋山スレでの感想では、1巻にわずかにブロント語が混じっていたという指摘もあるものの、私は気づけませんでした。


続いて、2巻の簡単な説明。
2巻では、「クラス対抗球技大会」に女子バスケ部がバスケの競技に出場するものの、相手となる「別クラスのバスケ参加者」はほぼ男子バスケ部のメンバーであり、1巻で使い切った「奇策」は一切使えないという上での再戦となります。

戦力バランス上、そんなことになったら、1ヶ月くらいみっちり練習したところで、女子バスケ部は男子バスケ部に決して勝てないような能力の差が存在しているんですが、女子バスケ部設立の原因になった事件に関係している男子バスケ部員1名のみは同じクラスに所属しています。こいつが男子バスケ部代表といった感じで1巻でもたびたび登場していたのですが、こいつは男子バスケ部のエースでもあります。

つまり、この球技大会では「ほぼ男子バスケ部員で構成された相手チーム」はエース抜きであり、ともすれば「クラス対抗」の球技大会には男子バスケ部エースをこちらのチームのメンバーとして出場させる事だって可能になります。
しかし、このエースプレーヤーはちょっと女子バスケ部メンバーといろいろ確執があって……という部分もあり、仮にチームに入る場合5人の女子バスケ部部員の誰が控えになるのか…というのも悩みの種になります。


そして今月、3巻が出たのですが、今回は主人公の幼なじみとその元チームメイト3人との5対3の試合でした。

……と、書くとちょっとネタバレになるわけですが、ついに主人公が関わっているバスケチームが小学生女子であることが幼なじみの女の子にバレます。

「あんた、なんでこの時期に小学生なのよ!」

と突っ込まれるとおり、基本的に主人公らは「部長のロリ疑惑で部をつぶれた奴ら」であり、世間的に見てあまりにマズいだろう?ということになる様子です。

このような周囲の対応は1巻でもちょっと触れられており、主人公の叔母も、

「最近は世間の子供への対応にいろいろ出てきてるから、たいていの大人は近づかないようにする。特に女の子には。こんな環境だとね、まっすぐ育たないんだよ。それはある意味かわいそうなことなんだ。私は見逃せない。この手でまっすぐに伸ばしてあげたい」
(本文ママ……ではなくうろ覚え)
と、元々は小学生の指導に乗り気ではなかった主人公を説得しようとしていました。

作者インタビューでも、
http://news.dengeki.com/elem/000/000/139/139129/

>――『ベイビー・プリンセス』ですか。ちなみに好きなキャラクターは?
>蒼山先生:2番目です。
>――青空(そら:1才)ですか?
>蒼山先生:ごめんなさい。上からです。
>――霙(みぞれ:17才)ですか。
蒼山先生:そうですね。
――ちなみに僕はあさひ(0才)が好きです。
蒼山先生:かわいいですよね。変な意味ではなく。
――そうですよね。変な意味ではなく。ちなみに『苺ましまろ』とかどうですか?


―――というような会話がなされています。寒い時代になったものです。


本文中に一切イラストはなかったですが、幼なじみのチームメイトは2人とも水着でバスケに参加しています。途中で忘れてましたが。
人気はあるようなんですが、アニメ化されるでしょうか。いろいろ難しそうにも思えます。
この設定も、アニメ化されるなら生かされるのかもしれません。

杉井光の『さくらファミリア!』にて、2巻のテーマとして「聖霊とは何か」というものがありました。
聖霊というのは三位一体の1つであるらしく、正しく知っている人が少ない部分ということもあって長い説明が入るんですが、この場面でその説明を行うガブリエル(大天使)が無駄にビキニの水着になっていました。イラストもないため全く無駄です。
文中では
「ここは私が水着にでもならないと、こんな無駄な説明誰も読まないでしょ?」とか
「…そんなわけで、教会の偉い人の間でも、聖霊に対する解釈が真っ二つに分かれちゃったの。わたしのこのおっぱいみたいに」

などと無理に関連付けたりしていたのですが……
あと、この「聖お兄さん」よりもはるかに危険なキリスト教もの(そんなジャンルあるか?)の作品は、3巻で終わりなのでしょうか?続きも期待しています。少々、ネタ切れ気味かもしれませんが

結構マイナーなネタで攻めてきているため、誰でも知っているようなネタでは書く気がしないのかもしれません。
でもまだ聖人も何人も残ってますし。
世界最古のヤンデレとして名高いヨハネの嫁(ヘロデの娘)とかも登場してほしい。
ちなみに、世界最古のツンデレはこれまた世界最古の文学作品である「ギルガメッシュ叙事詩」に登場するイシュタル(女神)でしょうか。


最後に、3巻で主人公が一度触れていた「今の彼女らはミニバス公式戦には出られない」という部分がちょっと気になりました。

ミニバスについて調べてみると、
ミニバスネット
http://www005.upp.so-net.ne.jp/minibasketball/index.html
連盟規約
http://www005.upp.so-net.ne.jp/minibasketball/03/3-1.htm
>第21条
>本連盟に加盟登録しようとするチームは毎年度、日本ミニバスケットボール連盟の加盟登録規定に基づき、所属の都道府県ミニバスケットボール連盟を経て、本連盟に登録しなければならない。
>第22条
>本連盟に加盟登録し、同時に(財)日本バスケットボール協会に登録していないものは、本連盟の主催する行事に参加することができない
>第23条
>年度の途中に追加登録を行う場合は、所属の都道府県ミニバスケットボー連盟の承認を得なければならない。
>第24条
>登録年度は、毎年4月1日より始まり、翌年3月31日をもって終る。


このへんでしょうか。
24条より、「年度」が4月1日より…となっている以上、4月1日からの登録が楽なんでしょう。23条を見ると、それ以外の時期でも不可能ではないっぽいですが。

しかし同時に(財)日本バスケットボール協会に登録らしいので、そちらも調べてみると
http://www.jabba-net.com/jabba/data/paper/data_tp_03.html
毎年3月末に名簿を作成
各都道府県の協会は毎年5月までに選手情報を本部に申請
などがありますが、問題は
(加盟・登録の変更)
第9条
1.(1)追加加盟:期日以降新しく結成されたチームは、都道府県協会がその事実を審査のうえ証明書、チーム加盟届書及び競技者登録届書とチーム加盟料・競技者登録料を添えて、協会に申請し、協会の承認を得て加盟・登録することができる。
(2)追加登録:従前一度も協会の加盟チームに登録されたことのない競技者については競技者登録届書に赤色を使用して所要事項を記入し、競技者登録料を添えて都道府県協会に提出し、前条2項の手続きを経て協会の承認を得るものとする。
2. 競技者の移籍があったときは、新所属チームは旧所属チームの同意書または資格審査委員会の許可書を添付して遅滞なく競技者登録変更届書を協会に提出しなければならない。

このあたりが重要になってきそうです。しかし、後々からの申請でもうけつけてくれてはいるようです。
経験者1名の「前のチームの了承」も取れるでしょう。部員とは確執があったようですが、チームの監督とかはちゃんと認めてくれるに違いない。名門の高校やらプロの世界なんかでは、「有力な選手を他チームで活躍させたくないから、可能な限り認めないでおく」とか、「最初から他校からのスパイとして所属していた可能性がある」みたいな理由で承認を拒否したりするケースもあるかもしれませんが、まあこれは小学生ですし。

他には問題はなさそうに思えます。
10年以上前にドッジ弾平を読んでいたころ、「スーパードッジ連盟は、チーム転属後1年の公式試合出場を原則認めていない」という説明を見たことがありました。そんな感じの規約の存在を想定していたんですが……

また、この申請は、「協会承認の日をもって有効」になるらしいですが、何か定例会議みたいなものを通すんでしょうか。ただ書類を受け取るだけで、申し込みから2,3日で承認されてもよさそうな気もします。
名簿みたいなものを作る以上、月に1度くらいじゃないと承認されないのかもしれません。
いずれ「無事承認されました」という通知が届いて、公式戦にも出場できるようになるのかな?
あと、もしエース(そしてメインヒロイン)の移籍に問題があったとすると、そのときは試合ギリギリのメンバーしかいない女バスは4人では出場できないのです。

……あれ?ひょっとして「控えにあと2人」とか必要だったりするのかな?もう一度調べる必要ありか。

2009年10月6日火曜日

autorun再び

人が集まって互いのプレゼンテーションな場面に立ち会うたびにウイルスもらってきます。私だけですか?みんなそんな感じでしょうか?

今回は発生源が結構身近なところのPCだったりしたので、とりあえず「ちょいと使わせてもらうよー」な流れでウイルスは消しておきました。 というか、ウイルスデータベースを更新してスキャンしたら普通に消えた。
でも、広まった結果どれだけ猛威を振るうかわからないものなので、状況を整理してから、関わった人全員にメールすることにします。もう問題発生から2週間くらいは経ってるはずだし、広まるところまでは広まっちゃってるでしょう。
今さら私が騒いで、「ウイルスがあるらしいから昨日はPCに触れなかった!」とかよりはいい。問題のウイルスっていうのも、

w32gammima (Norton)、Trojan Game thief magania (F-secure)、Win32:kamso (avast)
とかいうやつで、

動作:ネトゲーのパスを抜く

とかみたいなので、それほど問題になりそうな人が見当たりません。まあ、わかんないけど。

今回のautorunウイルスを見て思ったのが、どうやらWinXPにも影響がありそうな雰囲気。以前は、私はこれをVista以前のPCには無関係だと判断してしまったのですが、どうやら違う様子

autorun.infの中身を

[AutoRun]
open=file1.exe
shell\open\Command=file2.exe

とかで確かめた結果、下の内容ではfile2.exeが実行された。ちなみに、file1.exe, file2.exe共にただの実行形式の圧縮ファイル。

色々検証した人の中によれば、USBメモリのメーカーによって動作が異なり、ウイルス対策ソフト側でも上手く対処しにくい状況っぽいらしい。

この書式のautorun.infではXPでも動作することがある様子で、エクスプローラ(マイドキュメント、マイコンピュータなんかをダブルクリックすると出てくるファイル、フォルダを見るためのプログラム)上からUSBメモリをダブルクリックしたら、どうにもautorun.infを読んでいそうなメッセージが出ました。そのときは、アンチウイルスソフトが動作をブロックしたためウイルス起動は未然に防がれましたが。

また、この書式でも、挿しただけでは、私のPC、私のUSBメモリ(バッファロー製)ではautoplayによってはウイルスは起動しなかった様子でした。さした後に一定の手順で起動するのですが…
自動で行う操作は「接続と同時にフォルダを開く」だったのですが、多分、問題なくしばらく動いてました。(しばらくしてから一度USBメモリを参照しているエクスプローラの窓を閉じ、再び開こうとマイコンピュータからUSBメモリをダブルクリックした段階でアンチウイルスが警告を出した……だったと思う)

他のPC上でも、上のような実行形式の圧縮ファイルを解凍するかどうかでautorun.inf関連の動作を確かめてみた結果、WinXPのautoplayで読んだ結果でも、エクスプローラからダブルクリックしても反応しないものもありました。
今回、autorun.infはシステム管理のファイルという扱いになっていて、「全部のファイルとフォルダを表示」しても、表示されることはなかった。「保護されたオペレーションシステムファイルを表示する(推奨)」を、(一度警告を無視して)チェックを外さないと表示されない。

また、感染源になったPC上では、autorun.infの他はウイルス感染に関係しているファイル(batファイルになっているが、実行形式ファイルだった)がどうやっても見えない。感染している状態もUSBメモリをさしても、感染していない状態のUSBメモリをさしてもそれらのファイルが存在しないことになっている。そして他のPCに挿すとちゃんと見える。どうやってるんだろう?

参考にしたぺージ
USBメモリを介して感染するウィルス - だらだらやるよ。http://d.hatena.ne.jp/nagakura_eil/20080901/p1

AhnRpta.exe、xvassdf.exeとの闘い。 : パソコントラブル出張修理・サポート日記http://orbit.cocolog-nifty.com/supportdiary/2009/08/ahnrptaexexvass.html